子宮頸がんのリスク、ヒトパピローマウイルス
オーラルセックスでがん感染!?女性に子宮頸がんを引き起こすとして知られるヒトパピローマウイルス(HPV)が、口腔(こうくう)咽頭がんの危険を増すことが、米国の研究で明らかになった。感染者は非感染者の32倍もハイリスクで、男女を問わない。さらに、オーラルセックスも危ないというのだが…。
ジョン・ホプキンス医学研究所のモーラ・ギリソン教授らの研究で、10日発行のニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディスン誌に発表された。
研究は、100人の口腔咽頭がん患者と200人の健常者を対象に行われた。
その結果、HPV感染者のがん罹患(りかん)リスクは、非感染者の32倍であることが判明。性経験との関連を調べたところ、「1-5人」のオーラルセックス経験をもつ人は3.8倍、「6人以上」の経験者は8.6倍もリスクが高いことが明らかになった。
ギリソン教授は「HPV感染がリスクファクターであることは、完全に明らか」と、ワシントン・ポスト紙に語っている。また、キスによるHPV感染の危険は「明らかではないが、可能性が全くないわけではない」という。
HPVは子宮頸がんを引き起こすことが知られるが、男性への影響はほとんど明らかになっていなかった。米国では、年間1万1000人が感染、感染率は60歳以下で27%、20-24歳の女性では45%が既に感染しているとされる。ワクチンも開発されており、ティーンに予防接種を義務づけるか否かが論争になっていた。
米国では近年、本来口腔内のがんのハイリスク群として知られる喫煙者や大量飲酒者以外の若者にがんが増加。研究者の間で関連が指摘されていた。
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